塩サスペンス(?)劇場 失われた秘密を追え!


「リオンさんが何か隠し事をしているらしい」
「しかも、かなりオオゴトらしいよ」
「ま、まさか金色のラマを…?!」


そんなさまざまな噂が塩を飛び交ったのは、パブ27が導入されたばかりの頃。
彼の口を割らせるのは簡単、皆がそう思っていたが、
その噂が立つのと時を同じくして彼は姿を消した…。


何かがおかしい。


皆がそう思い始めた頃、特別捜査班が結成された。
鈴音に任命されたのはロスキージャとレノ。
二人は、二手に分かれてリオンの調査を開始した。


数日後。


鈴音宛にはレノから、ルゥ宛にはロスキージャより手紙が届けられた。
中には短いメッセージと、様々な街で撮ったと思われる写真が3枚ずつ入っていた。

鈴音はなぜロスキージャから連絡がないのか、
ルゥはなぜ自分宛に手紙が届けられたのかを疑問に思った。

真意の隠された手紙に手に、これはリオンに関するメッセージだと悟った二人は
それぞれの思惑をもとに調査員に連絡を取ろうと試みたが、叶わなかった。
これは何らかの事件に巻き込まれ、調査続行できなくなったに違いないと確信し、
独自調査に乗り出すことにした。


鈴音とルゥが調査を開始して数日後、二人はとある場所で顔を合わせることになる。
倒れた人物、したたる血。 たった今リオンが殺害された、そんな現場であった。
殺害されているだけならば日頃見なれた光景ではあるが、いつもと違う点がひとつ。
壁に書かれた血文字…。



これは何らかの大事件に違いない、そう確信した二人は
「私たちに挑もうなんて良い根性じゃない?!」そう言ったかどうかは定かではないが、
今までの調査内容をお互いに交換し、さらなる調査を開始した。


リオンはなぜ殺されたのか。
いや、そんなことはどうでも良い。


リオンが握っていた秘密とは何か。
メッセージは一体何を表していたのか。

鈴音とルゥは他の知人達にも声をかけ、一緒に謎と解明しようと考えたのであった。


ロスキージャからの手紙にはこうあった。

「大きな、三都市を捜索してきました。
 頼まれていた荷物を、結ぶ四角い布は見つかりませんでした。
 しょうがないので、三角の布で代用したいと思います。
 少し難しいですがうまく、中心に置いて縛れば大丈夫だと思います。
 調べた街の写真を入れておきますので
 今度探す時はこれ以外の街を探すことをお勧めします。
                         T・ロスキージャより」











そしてまた、レノからの手紙にはこうあった。

「やぁボス。 頼まれていた男の足取りを追ってみたよ。
 調べた結果は結局、その男は既に墓の中、と言うわけだ。
 死人に口なし、ってところだね
 出身地や著書、そして墓の写真を一緒に入れておくよ
                             
F・レノより」







写真と手紙をよく眺めているうちに、鈴音はある点に気づいた。
どうやらこれは、どちらも同じ謎で、別々の1つの街を表しているようだ。


鈴音は答えがわかりつつも、皆がそろうその時まで答えを胸の内にしまっていた。


皆がそろった夜。


鈴音は皆の力量をはかるために、あえて皆からの答えを待った。
そしてひとつ、皆に伝えていないことを発表した。


「実は、皆には言ってなかったことがある。
それは、ダイイングメッセージは一つではなかった、と言うことだ。
壁に書いてあった【ラマ】の文字とは別に、床に【クロス】と書いてあったのだ。
今回の写真の謎とは関係ないようだが、心にとめておいてくれ」



一同は
「2個も書く余裕があったんだ・・・」
「そんな余裕あるなら回復すれば良かったのに・・・」

などと疑問を浮かべつつも、謎の解明に取りかかった。


誰もが「わからない」と言っている中、一人の男が「解りました」と呟いた。
余りにも自然な呟きに、誰も気にとめていなかったようだが、鈴音はその声を聞き逃さなかった。


「おや、解った人がいるようですね?」


そこでロックが喋り始める。


「写真の場所は解りました



その言葉に、誰もが落胆した。
写真がそれぞれ、どこの都市であるかなどとは、誰もが解っていた。
問題はその先なのだから。


改めて皆で写真の街を確認し始めた。
ロスキージャの方の写真は、上からムーングロウ、ベスパー、マジンシア。
レノの方の写真は、デン、ブリタニア、ジェロームの写真だった。


そんな話をしているうちに、ロックが「謎は解けました」と言った。
どうやら、最初から解っていたようだが、言うタイミングを逃していたようだ。


「ロスキージャさんの方は、ニュジェルムを表しているようです。
三つの都市を結んだ、中央に当たる都市。それがニュジェルムです。
レノさんの方は、同じ方法でトリンシックを表しているようです。」

「ふむ、どうやら解ったようだな。 しかしなぜそう思ったのだ?」

「ロスキージャさんの方の手紙に、三都市、結ぶ、中央などの言葉があったので・・・」


「まぁ、いいとしよう。 とりあえずはその通りだな。
では捜査を先に進めよう。 Zachary、ニュジェルムとトリンシックについて何か知らないか?」



鈴音はカウンターにいたバーテンに訪ねた。

「ニュジェルムのことはArlindaがよく話していたのを覚えています。
トリンシックについてはMelvaが詳しかったと記憶しています。」



Zacharyは、顔なじみであるバーテン2人の名をあげた。
Arlindaはロスキージャ家に、Melvaはレノ家にいるバーテンの名前である。

「ふむ・・・ではとりあえず、レノ家の方へ行ってみるとしよう。 いくぞ!」

鈴音の出したゲートに、皆が吸い込まれていった。


レノ家に付いた一行は、早速Melvaにトリンシックについて訪ねた。
すると、「レノが通っている店がある」と言う返答があった。

「店とは・・・どこのことだろうか。 どこかに手掛かりがあるかもしれない。
場合が場合だ、レノには悪いが少し家捜しさせていただこう。」


皆が手掛かりを探していると、あからさまに怪しい本が2冊見つかった。


1冊は謎かけのような文章の本
もう一冊は、明らかに暗号っぽい内容の本だった。


明らかに怪しい2冊の本。
この本に何らかの手掛かりが隠されていると感じた一行は、謎の解読に取りかかった。


しばらくは皆が無言であった。
そのうちに、鈴音は謎かけの方の本になにやら手掛かりを見つけた。


「どうもこれは座標をあらわしているようだ。
私とともに誰か一緒に着いてきてほしい。
トリンシックの街を調べてくる。
残った者は引き続きもう一冊の本の謎の解明にかかってくれ」



鈴音はそう言い残し、トリンシックへ移動した。
座標を調べつつ歩くと、一件の宿にたどり着いた。


「ここは・・・The Travellers Inn? 宿屋か・・・?」
「とりあえず中を見てみましょう」


鈴音達はしばし宿の中を探したが、特に怪しいものは見つからなかった。


「とりあえず謎は解けたんだ、いったん報告に戻ろう」


鈴音はそう言うと、再びレノ家へと移動した。


レノ家に戻った丁度その少し前、もう一冊の方の本の謎もヌードルが解読に成功していた。
とりあえずバーテンに「The Travellers Inn」と訪ねると、「何かが足りないな・・・」の一点張り。
そこでもう一冊の本から導き出された答えを付け足して訪ねると、


「レノは気まぐれで嘘つきだよ」


と言う返事が返ってきた。
その言葉に、一同しばし考え込む

「嘘つきって・・・」
「何のことだ・・・?」
「・・・もしや」



「レノに一杯食わされたか!?」


鈴音のその言葉に、バーテンは「ご名答」と返事を返す。

「くっ・・・戻るぞ!」

騙されたことに気づいた一行はロス家へと向かったのであった。


ロスキージャ家に着いた一行はArlindaにニュジェルムについて訪ねた。

すると、「ロスキージャが何か調べていたようだ」とのこと。
これまた家捜しが必要な予感を感じ、家の中を探索し始めた。

レノ家とは違い、こちらはあちらこちらに怪しい手記が落ちている。
思わせぶりな物も多く、皆を惑わせた。

やがてヒントらしい言葉を見つけ、Arlindaに再び訪ねる。
ヒントから導き出された言葉は「Llama」
Arlindaが答えた言葉は、「Abrahamに訪ねると良い」とのこと。

Abrahamとは・・・塩駅の厩舎の番人だ。
なるほど、動物のことは飼育員が知っていると言うことか。

ダイイングメッセージとの関連性も気になるところだ。
一行は再び塩駅へと戻ったのであった。


「Abraham、Llamaについて何か知ってるかい?」
「ラマ・・・ですか。 まぁ、普通の動物だけとは限りませんね・・・」


謎かけのようなAbrahamの言葉に、一同は頭をひねる。

「普通ではないラマ・・・?」

「ラマテックス?」

「あとは・・・」

「エセラマ?」

「!?」


この時、ルゥのとった行動に何人が気づいたであろうか。
ルゥは・・・とっさにエセラマから降りていた。

そして、鈴音はAbrahamの近くに落ちていたある物に気が付いた。
落ちていた物は・・・オイルクロス

「これは・・・オイルクロス。 しかも血が付いているな・・・」

「血って・・・何でここに?」

「む、銘が入っているようですね。 銘は・・・『Lugh』



その言葉に、皆が一斉にルゥの方を見つめた。

「た、確かに私の銘ですが・・・」

「ふむ。 まぁ、裁縫である以上どこにあっても不思議ではない、と言いたいところでしょうか
そう言えばルゥさん、リオンさんの死体を調べている時、何かしていませんでしたか?」

「さ、さぁ・・・」

なにやら落ち着かない様子のルゥ。

「そう言えば、もう一つのダイイングメッセージって『クロス』だったよね?」
「オイルクロスとクロス・・・・これは何かが臭うな」


誰かが追い打ちをかけるように呟いた。
更に疑惑は深まっていく。
鈴音が追いつめるように問いかける。

「そういえばルゥさんって、エセラマに乗ってませんでしたっけ?」

「!?」

「これはもう・・・決まりだな」
「さぁ・・・おとなしく白状した方がいいよ」
その場にいる人間は既に、ルゥを犯人と断定して追いつめムードに入っていた


「あの・・・その・・・」



もうどうしていいのか解らないといった様子のルゥ。
そこに鈴音が更に追い打ちをかける。

「大体、別々に手紙が届いたというのもおかしい。
ロスキージャやレノも実はそちらの回し者だったんじゃないか?
ロスキージャにも証言してもらおうか?
あぁ、連絡取れないんだったな」

「ロスキージャさんに連絡が取れるの!?」


【シナリオ分岐ポイント】

不正解ルート

「いや、まぁ家の掲示板にでも書いて連絡を待つとしよう。
それはともかく、この証拠の数々。
一体どう説明して貰えるのかな?」


皆はジリジリとルゥに詰め寄り、圧力をかける。
その雰囲気に耐えられなくなったのか、ルゥはたまらずリコールアウトした。

「逃げた!!」
「ち・・・まぁいいでしょう、どこへ逃げられるわけでもありません」



鈴音は落ち着き払った様子でそう言った。

「さてそれでは、今一度推理をまとめてみましょうか・・・」


こうしてしばらく鈴音の誘導の元、推理の再確認がおこなわれた。
しかし、どうにも不透明な点もいくつか残ったままである。
あらかたまとまったところで、鈴音はこう切り出した。

「さて、どうやらタイムオーバーのようだ。
この程度の謎も解けないようなあなた達とはもうやってられないよ。
ここから私は一人でルゥを追うとしよう。
では、さらばだ!」



鈴音はそう言い残すと、姿を消した。
一同は状況についていけない様子で取り残されたのであった。

後日、皆の耳にはルゥが自殺したらしい、と言う噂だけが伝わったという。

こうしてリオンの失踪から始まった事件は、すっきりしないまま幕を下ろしたのであった・・・


正解


分岐ポイントで鈴音にロスキージャと連絡が取れるのは怪しい、
と、つっこみを入れることが出来ると、正解ルートに行く予定でした。

真実は・・・


ルゥは鈴音を出し抜いて金のラマを手に入れようとした。

レノとロスキージャはダブルスパイ。
裏でルゥに従うように見せかけて、実は鈴音に従っていた。

レノの役割は捜査の攪乱。

それぞれの手紙の前にあるTとFは、トラメル・フェルッカではなく
True(真)とFalse(偽)を表す。
よって、ロスキージャの情報が正しいことを示す。
ロスキージャの写真については推理にもあるとおり。
レノの写真については名前の前の▽が、逆三角に結ぶことを表していた。


リオンの死因はルゥに突き飛ばされてラマから落ち、
リオンが死んだと思い、驚いてルゥが逃走している隙にそれを見ていたロスキージャがとどめ。

壁の「ラマ」のダイイングメッセージはロスキージャの物。

床にはリオン本人が書いたロスキージャを現す「ロス」のメッセージが残っていたが、
ロスキージャはこれに気づき手を加えて「クロス」に変え、
あらかじめ用意してあったルゥの銘入りオイルクロスで少し血をぬぐいその場に放置。

逃走中のルゥにロスキージャがオイルクロスが落ちていたことを報告。
ルゥが慌てて拾いに行ったところで、ロスキージャにより手引きされていた鈴音と蜂合う。
とっさにオイルクロスを拾うルゥ。


以後捜査に入り・・・


エイブラハムに尋ねた際にオイルクロスを落とすルゥ。

後は追いつめられ、自分が殺したと思っていたルゥは良心の呵責に負け自殺、と言うシナリオでした。

結局リオンは何か秘密を握っていたわけではなく、
殺されるかもしれない、と言う噂を聞きつけて姿をくらませていただけなのでした。


時間の都合上謎解きや写真が先にあり、それからシナリオを作成するという無茶な構成であったために
シナリオに一部おかしなところがありますが、それはご愛敬と言うことで(笑)

なんにせよ、二度とやりたくないほど疲れましたわ・・・